「退職代行サービス」をご存知でしょうか?
退職代行はここ数年で急速に増えてきた退職方法ですが、「聞いたことはあるけれど、どういうサービスなのかよくわからない」「退職代行の金額が安いのか高いのかわからない」「退職代行は何を基準に選べば良いのかわからない」という声をよく耳にします。
実際、退職代行については適法な業者と違法状態にある業者が入り乱れている為、依頼金額の相場が非常に分かりにくくなっています。
そこでこのページでは、
- 退職代行の依頼金額の一般的な相場
- 退職代行の金額面での注意点
- 退職代行主要10社の金額比較
について詳しく解説し、本当に知っておきたい適法な退職代行業者の相場金額を検証します。
最後には、金額面も含めた「最新の退職代行おすすめランキング」もご紹介していますので、ぜひご一読くださいね。
1. 退職代行サービスとは
退職代行の依頼金額について触れていく前に、そもそも「退職代行とはどんなサービスなのか」についておさらいしておきましょう。
退職代行とは、会社を辞めたい人に代わって会社へ退職の意思表示をしてくれるサービスです。
退職代行サービスを利用することで、会社を辞めたいと思っているのに引き止めにあって会社を退職できなかったり、退職したいと言い出せない人の代わりに会社へ退職の意思表示をしてくれます。
「退職するだけなのに人に頼むなんて…」と思われる方も多いかもしれません。たしかに退職する自由は労働者に求められた権利で、一般的な会社であれば断られることはないでしょう。しかしその一方で、労務上の問題を抱えた“ブラック企業”も数多く存在し、仕事で心を病んでいる人も大勢います。
どんな時に退職代行が必要となっているのか、具体的な事例を見てみましょう。
事例1)退職が言い出しにくい・言い出せないケース
私も経験がありますが、会社へ退職の意向を伝えるのは、簡単のように見えて難しいものです。
今とは環境を変えたいと思っていても、良い職場、ブラックな職場を問わず、会社へ「退職したい」と言い出せず、ズルズルと数か月・数年と時間だけが経っていく…といった経験をした人も多いでしょう。
そういう時に第三者である退職代行を依頼するのが最も多いケースです。
事例2)上司のパワハラなどが横行しているケース
上司が部下に対して高圧的に接する“パワハラ”気質の会社はまだまだ多く存在していて、そういった場合、上司への恐怖心から本当は退職したいのに言い出せないことがあります。
さらにパワハラなどのハラスメントが継続することにより、心を病んで退職を会社に伝えるのが難しくなるケースも。こうなると会社にいること自体が苦痛になってきます。
そういった場合、今の環境から抜け出す為に退職代行に依頼するのもよくあるケースです。
事例3)退職を承認してくれず先延ばしにされるケース
退職の意思を上司に伝えたが上司預かりになってしまった、後任に引き継ぎが完了するまで退職を先延ばしするよう説得された、退職時期を会社が指定してきて大幅に退職が遅れそう、といったケースです。
人手不足が目立つ中小企業を中心に最近よく耳にしますが、実際、半年以上先延ばしにされたり、かなり強く退職を引き留めされることも増えてきています。
こういった場合、会社の意向に流されず自分のタイミングで退職したい、という方が退職代行に依頼することになります。
事例4)退職申請後に嫌がらせをされるケース
退職願を会社に出した途端、上司や同僚から冷たい仕打ちを受けたり、退職までの期間で嫌がらせが続くケースもあります。
仕事や引き継ぎに必要なファイルにアクセスできなくしたり、仕事が振られなくなったり、逆に面倒な仕事を押し付けられたりするハラスメント的な環境に置かれて心身を病んでしまう人もいます。
「もう職場にいたくないな」と感じて、退職代行を使って前倒しで辞めたり、有休消化に入ったりするのも多いケースです。
こういったケースのように「会社を辞めたいのに辞めれない…」そんな悩みに対応してくれるのが「退職代行サービス」なのです。
2. 退職代行の依頼金額の相場
便利で簡単に会社を辞めることができる「退職代行サービス」ですが、その金額(利用料金)の相場はいくらくらいなのでしょうか?
退職代行の依頼金額はかなり幅が広く、安いもので 1万円前後からあり、高いものでは 10万円といったケースもあります。
一見するとバラバラに見える退職代行の相場金額ですが、実は「退職代行の種類」と密接に関係しており、種類ごとに大まかな金額が決まっています。
ということで、まずは「退職代行の種類」から見ていきましょう。
2-1. 退職代行の種類は3種類ある
退職代行って一つじゃないの?と思われるかもしれませんが、実は退職代行は運営母体によって「一般法人運営」「労働組合運営」「弁護士運営」の3つに分類されます。
ここで言う「一般法人」とは、運営者が「労働組合」でも「弁護士」でもないものをすべて指します。株式会社・合同会社、個人事業は当然含まれますが、弁護士以外の法律系資格者である社会保険労務士・行政書士・司法書士なども「一般法人」に含まれます。
この3つの違いを知ることは退職代行を選ぶ上で最も重要なので、詳しく解説していきます。
まず「一般法人運営」「労働組合運営」「弁護士運営」の3つにはそれぞれ法律上にできること・できないことが明確に定まっているという特徴があります。
退職代行は会社を辞めたい人に代わって会社へ退職の意思表示をしてくれるサービスですが、退職の意思表示をするだけでは退職を完了させることはできません。
退職を完了するには「退職の意思表示」以外にも、以下のような交渉・調整を「本人に代わって」会社側と行う必要があります。
- 退職日の決定
- 残有給の消化
- 離職票など必要書類の請求
- 会社からの貸与品の返還
- 本人への連絡の禁止
そして、こういった交渉や調整は「一般法人運営」「労働組合運営」「弁護士運営」のそれぞれで法的な取り扱いが異なってきます。
具体的な「できること・できないこと」を表にまとめてみると、
業務内容 | 一般法人 | 労働組合 | 弁護士 |
---|---|---|---|
退職意思の伝達 | ◯ | ◎ | ◎ |
退職日の調整 | × | ◎ | ◎ |
有給消化交渉 | × | ◎ | ◎ |
離職票などの請求 | × | ◎ | ◎ |
貸与品の返還調整 | × | ◎ | ◎ |
本人への連絡禁止 | × | ◎ | ◎ |
例えば、一般法人の退職代行では「会社へ辞めることを伝える」ことはできますが、退職日の決定やその他の交渉・調整事項はすべて行うことはできません。
その理由は、労働組合や弁護士以外の退職代行には、依頼人の代わりに会社と交渉や調整をする法的な権限がないからです。
弁護士については弁護士法、労働組合については労働組合法に基づいて、本人の代わりに退職業務を行うことができますが、一般法人には法的根拠が一切ない為「退職意思を会社に伝える」ということしかできない不完全な退職代行となります。
金額面では一般法人の退職代行が一番安いのですが、ある程度知識を持った人事総務担当者であれば、一般法人の退職代行の違法性を突いて撃退することも可能です。
安さだけに目をとらわれず、弁護士もしくは労働組合運営の退職代行を使うようにしましょう。
“自称労働組合”に注意!
労働組合の退職代行は、法的根拠を持ち適切に業務を行うことができます。
一方で労働組合の設立は比較的容易なため、一般法人が名目だけの労働組合を作って労働組合の運営に見せかける、いわゆる“自称労働組合”が後を絶ちません。
労働組合と認められる為には運営上高い独立性が必要な条件となっており、“自称労働組合”は労働組合ではありません。“自称労働組合”運営の退職代行は一般法人運営扱いになるので気を付けましょう。
“自称労働組合”を見分ける方法は?
“自称労働組合”の退職代行を見分けるには「運営者情報」を見るのが一番です。
ホームページの運営者情報を見て「労働組合名ではなく一般法人名」になっている場合は “自称労働組合” が運営する一般法人の退職代行と見て良いでしょう。
2-2. 退職代行の料金相場
退職代行の依頼金額の相場ですが、一般法人・労働組合・弁護士で出来る業務範囲が異なることを反映して変わっています。
退職代行の金額としては、一般法人の場合は 10,000円〜25,000円、労働組合の場合は 22,000円〜30,000円、弁護士の場合は 50,000円〜100,000円が一般的な料金相場です。
一般法人の退職代行の料金相場に幅がありますが、それは一般法人の中に “自称労働組合” の退職代行も混在しているため。
“自称労働組合” の退職代行は、法的な根拠がないにもかかわらず労働組合とほぼ同じ料金帯で運営しているため非常に「コスパ」の悪い割高な料金設定となっており、“自称労働組合” の退職代行を除けば、一般法人の金額は 10,000円〜20,000円程度になります。
一般法人:10,000円〜20,000円、労働組合:22,000円〜30,000円、弁護士:50,000円〜100,000円
といった相場金額に比べて「高すぎる」「安すぎる」業者は避けた方が良いでしょう。
特に相場に比べて大幅に安い業者は「料金を支払ったら連絡が取れなくなる」「トラブルを起こして仕事を投げ出す」こともあるので注意しましょう。
3. 退職代行の金額についての注意点
退職代行の依頼金額の相場がわかったところで、金額面での注意点も見ておきましょう。
3-1. 追加料金を含めた金額の総額で比べよう
退職代行サービスを比較する時に表示されている依頼金額へ目が向きがちですが、追加費用も気をつけたいポイントの一つです。
すでに「労働組合」と「弁護士」が運営する退職代行を選ぶべきとお話ししましたが、「労働組合」や「弁護士」の退職代行での注意すべき点を挙げてみます。
労働組合の退職代行は要注意!
労働組合の退職代行は、労働組合法に基づき組合員の代わりに労働組合が退職交渉をするという建て付けになっているため、依頼者は労働組合に加入する必要があります。
労働組合に入ること自体に不利益もなく、退職代行が完了すれば脱退するので、それ自体特に問題はありません。
しかし、労働組合の退職代行の場合、追加料金「組合加入費」を徴収する業者もあるので注意が必要です。
組合加入費を徴収する際の相場は2000円〜4000円。金額的にはそこそこの額となりますので、依頼金額だけでなく組合加入費も含めた総額の料金で比較するようにしましょう。
中には(わざと?)小さな文字で組合加入費の記載をしている業者もありますので、ホームページの依頼金額の表示についてはしっかりと確認して見落としがないようにしましょう。
さらに言うなら、退職代行のような短期間の業務に対して、組合加入費を別途徴収することには疑問を感じます。可能な限り組合加入費を徴収しない退職代行会社を選ぶことをおすすめします。
弁護士の退職代行は実費に注意
労働組合ほどではありませんが、弁護士の退職代行も別途料金について注意が必要です。
実は弁護士の退職代行の場合、依頼金額は「退職代行費用+諸経費」となっている所がほとんど。
通常、諸経費は郵送費や印紙代などの実費で金額的にかさむものではありませんが、いざ支払いの段になって「えっ」と思わなくて済むよう契約前にしっかり確認しておきましょう。
4. 退職代行主要10社の金額比較
退職代行の相場感について把握できたところで、次に個別の退職代行サービスの依頼金額について比較してみたいと思います。
ネット検索して上位表示される主要な退職代行会社10社の依頼金額を安い順から並べてみた結果が以下の通りです。
4-1. 退職代行主要10社の依頼金額は?
【参考】退職代行会社別の依頼金額
- 退職代行 退職サポート(総額:22,000円)
- 退職代行モームリ(総額:22,000円)
- 退職代行 OITOMA(総額:24,000円)
- 退職代行ガーディアン(総額:24,800円)
- 退職代行トリケシ(総額:25,000円)
- 退職代行リーガルジャパン(総額:27,000円)
代行料金25000円+組合加入費2000円 - 退職代行ニチロー(総額:28,000円)
- 退職代行 Jobs(総額:29,000円)
代行料金27000円+組合加入費2000円 - 弁護士法人みやび(総額:55,000円)
別途、諸経費(実費) - 弁護士法人ガイア(総額:55,000円)
別途、諸経費(実費)
こちらでご紹介した主要10社の料金を見ると、金額的には 22,000円〜55,000円 の範囲に集中していることがわかります。
4-2. 退職代行主要10社の金額比較
退職代行の場合、すでに説明した通り運営母体によって相場金額が変わってきます。
ただ料金だけを並べてみても「退職代行の金額の料金水準」がわかりませんので、主要10社についてさらに「一般法人・労働組合・弁護士」といった運営母体を加味してまとめたのが、以下の表です。
なお、労働組合運営と謳っている退職代行については、“自称労働組合” を見極める為に「資金管理をしている実質的な運営者」を調査した上で「労働組合運営」か「一般法人運営」へ分類しています。
退職代行会社 | 総額料金 | 実質的な運営者 | 退職代行の種類 |
---|---|---|---|
退職代行 退職サポート | 22,000円 | 合同労働組合「私のユニオン」 | 労働組合運営 |
退職代行モームリ | 22,000円 | 株式会社アルバトロス | 一般法人運営 |
退職代行 OITOMA | 24,000円 | 株式会社5core | 一般法人運営 |
退職代行ガーディアン | 24,800円 | 東京労働経済組合 | 労働組合運営 |
退職代行トリケシ | 25,000円 | 株式会社エンターキー | 一般法人運営 |
退職代行リーガルジャパン | 27,000円 | 株式会社Legalbox | 一般法人運営 |
退職代行ニチロー | 28,000円 | 日本労働調査組合 | 労働組合運営 |
退職代行 Jobs | 29,000円 | 株式会社アレス | 一般法人運営 |
弁護士法人みやび | 55,000円 | 弁護士法人みやび | 弁護士運営 |
弁護士法人ガイア | 55,000円 | 弁護士法人ガイア | 弁護士運営 |
以上の10社の中で、労働組合を名乗っていながら「一般法人運営」と判定したのは、
- 退職代行 OITOMA
- 退職代行トリケシ
- 退職代行リーガルジャパン
- 退職代行 Jobs
の4社でした。
さらに一般法人扱いの5社(上記4社+退職代行モームリ)を除外して、料金を安い順に並べてみると、
適法な退職代行会社の依頼金額
- 退職代行 退職サポート 労働組合運営(総額:22,000円)
- 退職代行ガーディアン 労働組合運営(総額:24,800円)
- 退職代行ニチロー 労働組合運営(総額:28,000円)
- 弁護士法人みやび 弁護士運営(総額:55,000円)
別途、諸経費(実費) - 弁護士法人ガイア 弁護士運営(総額:55,000円)
別途、諸経費(実費)
となります。以上を踏まえると、
適法な退職代行の依頼金額は、労働組合運営の場合で 22,000円〜28,000円、弁護士運営の場合で 55,000円前後 と考えておくのが良いでしょう。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、退職代行の金額について主要10社の金額から見た料金相場をご紹介しました。
退職代行には運営別に「一般法人」「労働組合」「弁護士」と3つ種類があり、それぞれ法律でできる業務が定められています。
一般法人の退職代行
一般法人運営の退職代行は、労働組合や弁護士に比べて安い料金設定となっていますが、法律上、依頼者の代わりに会社側と交渉・調整をしてはならない為、退職を完了させることはできません。
「給料も退職書類もいらないので、ただ退職できればいい」という時以外は使うべきではないでしょう。
一方、法律に則って業務ができる「労働組合」と「弁護士」の退職代行についても注意点があります。
労働組合の退職代行
労働組合運営の退職代行は、実質的に一般法人が運営している “自称労働組合” のものを選ばないことが重要です。“自称労働組合” については、ホームページの運営者情報を必ずチェックして、運営者が労働組合となっているかを確認する必要があります。
また、労働組合の退職代行の中には「組合加入費」が別途必要になるところもあるので、退職代行料金と合わせた総額で比較するようにしましょう。
退職代行の金額の相場
適法に運営されている退職代行の依頼金額の相場は、
労働組合運営の場合で 22,000円〜28,000円、弁護士運営の場合で 55,000円前後
となります。この金額の範囲で退職代行選びをすると良いでしょう。
6. 退職代行おすすめ3選!
最後に、これから退職代行を利用をお考えの方へおすすめの退職代行会社をご紹介しておきましょう。
退職代行業者は全国に100社以上ありますが、全国対応している退職代行業者の中から3つ厳選してご案内します。
会社名 | 退職代行 退職サポート |
退職代行 ガーディアン |
弁護士法人 みやび |
---|---|---|---|
運営者 | 労働組合 | 労働組合 | 弁護士 |
即日退社 | ◎ | ◎ | ○ |
無料アフターケア | ◎ | ◎ | ◎ |
365日対応 | ◎ | △ | ◎ |
LINE相談 | ◎ | ◎ | ◎ |
クレカ払い | ◎ | ◎ | × |
依頼手続きの手間 | ◎ 簡単 |
◎ 簡単 |
△ 面倒 |
料金(税込) | ◎ 22,000円 |
○ 24,800円 |
△ 55,000円+実費 |
評価 | 43点/50点中 |
34点/50点中 |
26点/50点中 |
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