みなさんはこれまで転職する際に、どうやって転職活動を進めてきましたか?
中には看護師として頑張ってきて「これから初めて転職をする!」という方もいると思います。
まずは自力で近場の病院・施設を探してみたり、看護師転職サイトに登録してみたり、実際にハローワークに赴いてみたり…などさまざまな転職活動の方法がありますよね。
そんなとき『ハローワークって面倒臭くないかな?』『ハローワークでも、ちゃんと仕事を紹介してもらえるの?』『そもそもハローワークってなに?』など不安に思ってしまうかもしれません。
今回はそんな転職活動の方法の中の一つ、ハローワークについて看護師が使った場合のメリットやデメリット、おすすめできる人を中心にお話していきます。
あなたにあった転職活動の方法を見つけて安心して転職活動ができるように参考にしてくださいね。
ハローワークの利用方法
ハローワークとはいったい何なのでしょう?
ハローワークとは『公共職業安定所』の事を指し、国によって運営されている職業紹介所のこと。
よくある転職サイトとの大きな違いは、国が運営している公共事業であるという点です。
では早速実際のハローワークの利用方法について見ていきましょう。
ハローワークには2通りの利用方法があります。
- 直接ハローワークに行き相談して仕事を探す方法
- ハローワークインターネットサービスを利用して求人検索をする方法
直接ハローワークに行って転職先を探すまでの流れ
まず一つめの「直接ハローワークに行き相談して仕事を探す方法」ですが、
step
1管轄ハローワークを探す
例:『東京都 荒川区 ハローワーク』のように自分が住んでいる市町村名や区名を入力してインターネットで検索してみてください。すると住んでいる場所を管轄するハローワークが検索されます。
step
2管轄ハローワークに行く
近場のハローワークが見つかったら、開館している時間帯に合わせて足を運びましょう。
ハローワークに訪れると受付で「求職申込書を書いて下さい」と言われるので、求職申込書を記入します。
求職申込書の記入が終わると職員が自分のプロフィールや希望条件をパソコンに登録してくれ、登録が完了すると自分がハローワークに設置されているパソコンを使って、自分に合った求人を選ぶことができるようになります。
実際にパソコン端末で求人を検索し、気に入った求人があればプリントアウトして窓口の職員に相談してみましょう。
ハローワークインターネットサービスを利用して転職先を探すまでの流れ
二つめの「ハローワークインターネットサービスを利用する方法」ですが、
step
1ハローワークインターネットサービスのサイトを訪問する
下のリンクから『ハローワークインターネットサービス』サイトへ行きます。
step
2サイトで求人を検索する
次に、サイト内で住んでいる地域や転職先に求める条件を入力し検索します。
すると求人を出している事業所名や職種、雇用形態、就業時間などが各々出てきますので良いと思う転職先があれば求職申込手続きを行っていく、という流れになります。
ハローワークを利用するメリット・デメリット
続いて、ハローワークを利用するメリット・デメリットを見てみましょう。
看護師がハローワークで求人を探すメリット
看護師がハローワークで求人を探すメリットは5つあります。
- 住んでいる地域の病院やクリニックの求人が見つけやすい
- 転職の際のコストがかからないので採用されやすい
- インターネットからも求人検索できる
- 無理に転職先を紹介されない
- どこに住んでいても一定のサービスが受けられる
メリットをひとつずつみていきましょう。
住んでいる地域の病院やクリニックの求人が見つけやすい
ハローワークは転職サイトよりも拠点数が多い分、小さな病院やクリニック(地域に根差した病院や個人経営のクリニック等)の募集をキャッチしやすいのが特徴。
看護師の転職サイトの場合、拠点は全国に10~20所程度設置されていることが多いようですが、ハローワークは全国に約544所設置されており圧倒的な数となっています。
その為、転職サイトでいまひとつ良い求人が見つからない場合でもハローワークを利用すると、自分の条件に合致する転職先が見つかる場合もあります。
転職の際のコストがかからないので採用されやすい
病院やクリニック側はハローワークに登録しても一切お金がかかることはありません。
しかし転職サイトを利用すると病院は1人を雇うごとに数十万円のコストが発生します。
転職はあなた一人を雇うとは限りません。年度初めなどに関して言えば、何十人もの中途採用者を雇うことも。
ハローワーク経由で人事採用をすれば、その莫大なコストが浮くわけですから、特に小規模な病院などはハローワークからの採用を優先する可能性があるわけです。
インターネットからも求人検索できる
先ほどご紹介した通り、ハローワークには『ハローワークインターネットサービス』というサイトがあり、このハローワークインターネットサービスを利用すれば、他の求人サイト同様に自分の条件に合う求人を探すことができます。
実際に足を運ばなくても簡単に求人を検索できるのは有難いサービスですね。
私自身がそうでしたが、ハローワークに足を運ぶ時間がない・面倒くさいという人は一度ハローワークインターネットサービスを利用してみるのも良いかもしれません。
無理に転職先を紹介されない
ハローワークはあくまでも『求職者が求人を相談・選定する場所』です。
ですので、転職に際して自分の譲れない条件や探す範囲など、しっかりと見極める必要がありますが、自分が興味を持った求人だけを紹介してもらえます。
無料の公共サービスということで、ハローワークの職員も無理強いするような薦め方はせず「ここの地域ですと、このような転職先が〇箇所ほどありますよ」とあくまでも提示するかたちで候補を紹介してくれます。
受け身のままではなかなか良い転職活動はできませんが、積極的に転職先を紹介されたくない人にはメリットになるでしょう。
どこに住んでいても一定のサービスが受けられる
ハローワークは住んでいる場所に限らずどこでも一定の支援が受けられます。
つまり転職先が多数あると思われる都会だけでなく、転職先が少ない田舎の方でも求人を探すことができるのです。
一方、看護師の転職サイトはどちらかといえば都市部に強みを持つ会社が多く、地方の求人は少ない傾向にあります。
また、ハローワークは公共事業としての安定した地位と歴史があり、地域に密着した職業紹介所の為、大きな総合病院から個人経営の小さなクリニック
に至るまで幅広い求人の取り扱いが期待できます。
看護師がハローワークで求人を探すデメリット
反対に、ハローワークを利用するデメリットとはなんでしょうか?
ハローワークを利用するデメリットは5つあります。
- 求人情報が正確でない場合がある
- スタッフの対応力があまり高くない
- 自分に合う条件の転職先を見つけにくい
- 人事採用に関する意識が低い企業がある
- 若年者や専門職などの対応が後回しになる場合がある
デメリットもひとつずつ見ていきましょう。
求人情報が正確でない場合がある
ハローワークの職員が実際に転職先の実態調査をしているわけではないので、転職先の自己申告する情報(良い点ばかり伝えたり、離職率をオープンにしない等)をそのまま掲載している場合があります。
またハローワークの担当者が医療や看護に関して知識が不足している為、しっかりと情報を把握できておらず、必要な情報を掲載できていない点も挙げられます。
また、転職先側が求人掲載の依頼をしてからハローワークに掲載されるまでタイムラグがあるので、結果的に空求人になってしまっているケースも見られます。
実際、良いと思った求人に応募したけど、実際は既に人員は充足されて募集が終わってた、、ということもありました。
スタッフの対応力があまり高くない
ハローワークは誰でも利用できるサービスなので、どうしても職員の対応に限界があります。
ハローワークの職員はあくまでも最低限の職業紹介が主な仕事。転職サイトの人材コーディネーターのように医療や看護に関する知識や交渉力、対応力がそれほど必要とされていません。
また、人材会社のように職員の教育を徹底しているわけではないので、事務手続きしかしてくれない場合が多々あるなど全体としてのレベルは低めでのようです。
中にはとても親切丁寧に対応してくれる職員もいますが、あまり過度な期待はしないで利用すべき場所なのかもしれませんね。
自分に合う条件の転職先を見つけにくい
利用する側がしっかりと自己分析できていないと(転職に際しての譲れない条件や相談次第で検討する項目など)自分が求める条件がぶれてしまい、ただ紹介される転職先を鵜呑みにして転職活動が失敗に終わってしまいます。
その点、ハローワークに掲載されている求人情報だけでは面接時の傾向や求められる看護師像が見えにくく、転職の対策に困る印象も。
さらに、自分のこれまでの看護師歴から見据えた求人の抽出はできず手当たり次第で探していくかたちになるので、人によっては進め方が難しいかもしれません。
人事採用に関する意識が低い転職先がある
ハローワークは転職先側も無料で求人掲載できるため、掲載されている転職先も人事採用全体のコストを抑えている場合があります。
一方、看護師転職サイトに求人掲載を依頼している会社はそれだけ採用にお金をかけている余裕があったり、いい人材と出会いたい!という意識の高さを意味しているとも言えます。
全体的な傾向として、あまり採用に関して意欲の高くない会社・病院がハローワークには集まりやすいという点は、頭の片隅にでも置いておいた方が良さそうです。
若者や専門職などの対応が後回しになる場合がある
仕方ないといえば仕方ないのですが、ハローワークとしては「すぐに仕事先を見つけたい人や生活に困窮している人」を最優先したいので、どうしても若者やハローワークを利用しなくても転職が可能な資格を持った人などは後回しにされがち。
でも職員に相談すればサポートは受けられますので、どうしてもハローワークで転職先をみつけたいのであれば、積極的に自分の転職への意思を職員に伝えるように心がけましょう。
ハローワークがおすすめの看護師はどんな人?
ハローワークでの転職がおすすめの看護師は、自己分析がすでにしっかりとできていて自力で転職先を探せる自信のある人です。
転職初心者ではなく、転職経験者の方がこれまでの経験から転職に際しての流れや必要な期間、履歴書の書き方など熟知しているので、よりハローワークを活用できる可能性は高いでしょう。
そして地域密着型の求人が多いことがハローワークの最大のメリットともいえますので、転職する希望の地域が決まっていて会社の規模はあまり問わないという人におすすめできます。
また、転職サイトの人材コーディネーターから転職を急かされたくない人や自分のペースで転職活動を進めていきたいという人にもハローワークを使った転職は向いていると思いますよ。
私の転職体験談
私自身はこれまでの転職4回全て、看護師転職サイトを利用して転職活動を進めました。
私個人としては転職サイトが手軽だったというのもありますが、ハローワークを利用する際は直接行かなければいけないのだと思い込んでいて利用はしたことがありませんでした。
しかし、ネットで検索できる「ハローワークインターネットサービス」を知っていれば、違うかたちで転職活動ができたかもしれません。
結婚・出産・両親の介護などあらゆる理由で限られた地域の範囲内で働くことになったりするケースは本当に良く聞きますし、私自身もライフステージが変化した時になかなか自宅から近場の転職先を見つけられず、転職が難渋した経験があります。
そういった時に地域密着型のハローワークを利用できれば、転職先の選択肢が広がったでしょう。
実際にハローワーク経由で転職をしていた同僚の看護師も何人かいたので、メジャーな転職手段の一つであることは間違いありません。
看護師転職サイトを使うにしても、ハローワークを使うにしても、自分に合った進め方が出来るように選択していけると良いですね。
今回のまとめ
今回は看護師の転職活動の方法の中から、ハローワークを使った転職についてご紹介しました。
実際に看護師が転職する際には、転職サイトだけやハローワークだけに限って活動を制限する必要はありません。
看護師転職サイト、ハローワーク、自力で探す方法、知人の紹介などそれぞれにメリット・デメリットがありますし、長所短所を理解した上で複数の転職手段を併用すれば良いと思います。
-
看護師転職サイト6社の比較と失敗しない利用方法を徹底解説【実際に利用してみた!】
みなさんはこれまでの転職活動の中で、看護師専門の転職サイトを利用したことはありますか? 看護師の場合、看護師専門の転職サイトを利用して転職活動を行うという人は非常に多いと思います。 しかし、いざ利用し ...
続きを見る